塗装工事のする場合、どのような手順で作業をするかよく聞かれます。
作業の手順は基本的に、「足場設置」→「高圧洗浄」→「防水工事(下地処理)」→「養生」→「塗装工事」→「検査、補修」→「足場解体」→
「最終確認、掃除」とうい流れとなります。
ここでは塗装工事の流れを順を追って詳しく説明します。
塗装工事の流れ
④ 養生
塗装する前に不要な部分に塗料が着かないように、「マスキング
テープ」や「マスカー」と呼ばれる養生資材でカバーします。
「マスキングテープ」とは、塗装しない場所の境い目に貼り、
塗料のはみ出しを防止する材料で、粘着力が弱く粘着剤が残りに
くいためスムーズな作業が可能です。
下地に合わせて粘着力の違うマスキングテープを使い分けます。
「マスカー」とは、マスキングテープと養生用のポリシートを
一体化させた材料です。
予期せず飛散した塗料が着かないように、塗装したい部分以外に
被せます。
地味な作業ですが、仕上がりを左右するとても大切な作業です。
想像以上に技術が必要で、外壁塗装の仕上がりは養生で決まるとも言われていて、腕の良い職人ほど重要視しています。
⑤ 塗装工事
●外壁塗装
「塗替え塗装」の場合は、基本的に下塗りを1回、上塗りを2回、
合計3回塗ります。
下塗りは下地と上塗り塗料の接着を良くする役割を賄っていますが、
下地の状態が悪い場合は、同じ下塗り塗料を2回、または下地を固める
別の下塗り塗料を塗る場合があり、合計4回塗る場合があります。
「クリア塗装」の場合は、下塗りが必要ないため2回塗ります。
(下地が傷んでいる場合は、クリア塗装出来ないので必然的に2回塗り
のみとなります)
●屋根塗装
外壁の塗替えと同様に下塗り1回、上塗り2回の合計3回塗りとなります。
●付帯部塗装
軒天や樋、小庇、幕板、鉄製部分等、外壁以外の塗装です。
*アルミ製の部材には、剥がれやすいので基本的に塗装しません。
③ 防水工事(下地処理)
外壁の種類によって下地処理は違ってきます。
基本的にコーキングによる防水工事で、不具合があれば補修します。
塗装とは違う技術が必要なため、専門のコーキング職人(防水職人)による施工が必須で、仕上がりと性能が違ってきます。
●サイディング、ALC等
サイディングとサイディングとの間の「目地」と呼ばれる隙間や
サッシ廻りとの接続部分にコーキング(シーリング)と呼ばれる
ゴムのように弾力がある緩衝材が施工されています。
経年劣化で固くなりヒビや割れが発生し打ち替えが必要となります。
写真のような平らな部分の目地は、十分な厚みを確保するために
既存のコーキングを撤去して新しく打ち直す必要があります。
サッシ廻りは撤去する際にサッシ等を傷つける可能性があるため、
既存のコーキングを撤去せず、三角シールと呼ばれる打ち方で厚みを
確保しての施工が、費用面を含めてお勧めです。
●モルタル
サイディングと違い、目地がないため基本的にはコーキング工事は
必要ありませんが、ヒビや割れが起こりやすい外壁のため、割れて
いる箇所があればコーキングで埋める補修等が必要となります。
以上が基本的な塗装工事の流れになります。
塗装工事自体は、通常は「屋根塗装」から始まり、次に「軒天塗装」→「外壁塗装」→「その他の樋等の付帯部塗装」という流れになりますが、
現場によって建物の大きさ、天候、他の現場との絡み等により順番が変わる場合がります。
屋根の葺き替えや重ね葺き等を併せて行う場合は、足場設置したあと一番最初に工事を行います。
これは塗装後に葺き替え工事等を行った場合、ホコリやゴミ等が外壁に付着したり、キズ等を付ける可能性があるために初めに施工します。
同時にバルコニーの防水工事を行う場合は、逆に作業中に汚したりキズを付けてしまう可能性があるので、足場を解体する前の一番最後に
施工します。
全ては綺麗な仕上がりと、十分な塗料の性能を引き出すため、適切な施工が出来るように手順を踏んで行っています。